6月15日、群馬県食品安全課の主催で平成24年度第1回の研修会が開催されました。
千葉県立保健医療大学の林芙美先生の基調講演「野菜摂取による健康維持とその支援のあり方」のほか、県食品安全課と県教育委員会スポーツ健康課の担当者から説明がありました。基調講演の概略を「野菜摂取の現状とその要因」を中心に聞き取りまとめで報告します。
350gの野菜の例(事務局撮影)
基調講演の概略(データは全国数値)
・野菜摂取量の平均値(国民健康・栄養調査結果 20歳以上)
野菜全体の摂取量は横ばい状態が続いており、厚生労働省が提唱する350g/日に50g程度不足し、緑黄色野菜については、同様に120g/日のところ30g不足している。平成22年の調査結果を年齢別にみると、調査対象全体で平均281g摂取しているが、20歳代の233gに顕著なように、若い世代の摂取量が少ない。野菜摂取量の現状を伝えるとともに、年代別の摂取量を伝え、意識を喚起することが重要だ。
・野菜の摂取状況
350gの野菜の量は普段料理をしない人には想像がつきにくいので、食事バランスガイドでは野菜1皿を70gとみなして、350g/日以上を1日5皿以上と説明している。5皿以上摂取の人が約30%以上いる一方、1皿未満の人が6%いる。もう少しで目安達成という人には、単に足らないではなく、どの程度足らないかを伝えることが支援していくうえで大切だ。
・野菜(副菜)についての適量の認識(15歳以上男女)
自分にとっての副菜(野菜、きのこ、いも、海藻等)の適量についての認識では、小皿等で3つ分以下と考えている人が約50%と、必要量を過小評価し、自分が現在摂取している量を適量とみなす傾向がみられる。また適量を食べているつもりの人も50%を超えている。野菜ジュースやサプリメントを摂取しているから栄養は足りていると考え人には、食事をすることの意義は栄養補給に留まるものではなく、食べることの楽しさ、味わうことの喜び等という意義もあることを気付いてもらうことが食育では大切だ。
・健康情報の読み解き方
「即効性」「万能」など、消費者の誤解を招きやすい情報が見受けられるときがあるが、健康情報の読み解き方として、「具体的な研究に基づいているか」「研究の対象はヒトか」「学会発表か、論文報告か」などが、判断するための基本的なポイントだ。
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